このページでは、仕事で覚えることが多すぎるという悩みを抱えた機械設計エンジニアのために、解決法をまとめています。
様々な製品を設計する機械設計エンジニアでは、仕事の幅が広がれば広がるほど覚えるべきことも増えていきます。しかし、一方で土台として押さえておくべき知識もあり、そこをきちんと習得しておけば応用も利きやすくなります。
まずは最低限、機械設計エンジニアとしてマスターしておくべき知識を理解しておくことが必要です。ただし、大学などで学んだ知識だけではプロとして通用しません。
そこで、機械設計エンジニアとしての基礎知識と、自分が携わる分野に関する専門知識を、それぞれきちんと把握しておくことが不可欠です。
4力(よんりき)とは「材料力学・機械力学・流体力学・熱力学」の総称です。工学系大学などではほぼ必修科目となっており、製品強度を考えたり、動きのあるものを設計したりする上で必要不可欠な知識です。
力学の知識や斬新な設計アイデアがあったとしても、誰が見ても分かるように製図する技術がなければ意味がありません。
製図には一定のルールがあり、美しく分かりやすい図面を描けるよう練習を重ねることが大切です。
CADやCAEなど、設計ツールについて習得しておくことも必須といえるでしょう。
設計ツールは使い方を学べる講習会や教本などもあり、苦手なものがあれば早めに学んでおくことが必要です。
機械要素とはネジや歯車、軸や軸受けといった、JIS規格などがある標準的な部品の総称です。
あらゆる機械は機械要素の集合体であり、少なくとも自分が関わる製品の機械要素は全てカバーしておくようにしましょう。
同じ機械要素であっても、素材や材料によって性質や特性は大きく異なります。そのため、素材や材料について知っておくことも必要です。
素材や材料は時代によって新しいものが登場するだけでなく、逆に使えなくなるものも増えるため、意識的に知識を刷新していくことが重要です。
切削加工や成形加工など多種多様な加工法があり、加工法ごとに難易度や仕上がりが異なります。そのため、目的とする設計や製品を実現させるためには、最適な加工法について考えられる知識も不可欠です。
加工には専門の職人もおり、現場とコミュニケーションを取りながら確認していきましょう。
設計した製品がどのような工程で組み立てられるのか、またメンテナンスの方法なども把握しておかなければ、後々に問題となる可能性もあります。 疑問があれば実際に作業する人の声を聞いてみることも重要です。
業界ごとの規格や製品についての設計基準といったものは、プロとして機械設計を行う上で必ず把握しておかなければなりません。
実際の設計では、加工や組立などに関して専門家と相談しながら進めることも重要です。そこで円滑なコミュニケーションのために、各分野の専門用語について知っておくことも必要です。
優れた設計であっても、ユーザーのニーズやトレンドを理解しておかなければ製品価値は認められません。 広くアンテナを張り、使用者や時代の流れにも敏感になっておきましょう。
いきなり全ての知識を覚えようとすればパンクしてしまいます。そこで、基礎的な4力や製図の習得は当然として、自分にとってどのような知識や理解が必須なのか、まずは冷静に見極めることが大切です。 また、分からないことがあれば先輩や上司へ相談できる環境を構築しておくこともポイントでしょう。
環境や業種が変われば設計すべき内容も変わり、覚えるべきことも変わってきます。また、人によって得意分野も異なります。そこで、どうしても覚えることが多すぎると感じた時は、転職で環境を変えてみることも1つの方法です。
加えて、先輩や上司、現場との関係性が悪ければ、気軽に相談することもできず、結果的に良い設計も生まれません。
良い職場環境でこそ良い設計が行えると覚えておきましょう。