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自動車エンジニア

自動車エンジニアとはどのような仕事なのか?調査した結果をまとめています。

自動車エンジニアとは?

自動車エンジニアは、自動車やバイクなどのパーツを研究・開発する仕事。エンジンの高出力化、低燃費化、軽量化などのほか、安全性や環境への配慮も求められる仕事です。

自動車エンジニアは範囲が広く多岐にわたるため、ボデー、シャシー、内装、エンジン、足回りなど部品ごとにエンジニアがいます。また、その部品を生産する設備ごとにも専門性に特化したエンジニアが存在するのが、自動車エンジニアの特徴です。

自動車エンジニアの年収

自動車エンジニアの年収は30代で約500~1,000万円とされています。数字を見てわかるように、自動車エンジニアの年収は企業の規模や、役職によって金額は大きく変わります。大手自動車メーカーでは、多くの人が自動車エンジニアとして働いているため役職にも限りがあります。そのため、役職に就ける可能性はかなり低いのが現実です。

自動車エンジニアのキャリアアップ

自動車メーカーで長年設計開発の仕事をした人は、異なる分野への転身を避ける傾向が強いそうです。エンジニアとして、ずっと現場にいたいという気持ちもあるのだと思います。こうした背景から、研修のプロデュース、研修講師などの若手社員のフォローを第二のキャリアとしながら現場に残り、設計の仕事に従事する、というケースが多いようです。

自動車エンジニアに必要なスキル

必須資格はありませんが自動車やバイクの設計に関する技術に加え、製図に必要なコンピューターのスキルやCO2排出削減に関する知識も備えておく必要があります。

また、国内の自動車メーカーはチームワークを大切にしているため、コミュニケーション力や協調性は必須。専門の知識は当然のこととされ、コミュニケーション力は重視される傾向にあります。

自動車エンジニアが備えておくと便利な技能・スキル

自動車エンジニアが他の業界でも活かせる技能・スキルは?

自動車業界で関わる製品について

自動車業界でエンジニア職が関わる仕事は、自動車に必要不可欠なさまざまな製品に関するものです。自動車は部門が細分化されており、構成部品を組み上げて作る総合開発。それぞれ専門のエンジニアが必要となり、エンジニアの需要が高い業界です。例としていくつかの製品について説明します。

ハード系の製品

主に車の構造に関わるパーツです。大別して分けてみると、本体設計領域の製品と車両設計領域の製品に分別できます。

本体設計領域の製品

駆動系ともいえる部分の開発は機械設計エンジニアが活躍できる場所で、以下のような機械設計の仕事があります。

車はパーツ全体が組み合わさり、燃費などエネルギー効率を突きつめるところが面白さです。エンジニアとして細かな調整を繰り返し、最高の製品を追求する楽しみもあります。

車両設計領域の製品

車両設計領域の製品は、人間で例えると骨格といえます。

細かな技術だけでなく、精度の高い製図作成も必要なため、コンピュータースキルも必要です。チーム単位で動くのが基本となるため、協調性のあるエンジニアが求められています。

ソフト系の製品

ソフト系の製品は安全性や快適性を重視されています。主なものは以下の通りです。

自動ブレーキやハイブリッド車の制御に関わるものが多く、これからさらにエンジニアが必要とされる領域です。

自動車業界での著名なメーカー

自動車業界は著名なメーカーの宝庫です。一般的に知られているのは「完成車メーカー」で「トヨタ自動車」や「日産自動車」・「本田技研工業」・「マツダ」・「ダイハツ」といったCMでもおなじみの企業でしょう。

完成車メーカーの自動車に搭載する部品を作るのが、自動車部品メーカーです。

自動車部品メーカーはサプライヤーとも呼ばれています。「デンソー」や「アイシン精機」・「豊田自動織機」「カルソニックカンセイ」あたりは部品メーカーとして有名な企業です。ほかにも「日立製作所」や「三菱電機」といったメーカーも、大手の自動車部品メーカーと言えます。

自動車業界ならではの特徴

日本の自動車業界は、特徴的な業界構造をしています。全体を見るとピラミッド構造になっており、その頂点にいるのは完成車メーカーです。

この完成車メーカーを頂点として、下請け構造が何層にも続くといった業界です。下請けと言うと、あまり規模の大きい企業内イメージに繋がる場合もありますが、自動車業界では異なります。

一次下請けとして有名なデンソーであれば、グローバル売上高は4兆円規模。二次・三次の下請けであっても、日本有数の大企業と呼ばれる規模の会社が多く存在します。

また、ピラミッド構造の裾野は非常に広く、ネジひとつにまで及んでいます。町の小さな工場からトヨタ自動車や日産自動車などまでつながっていくといった、広いピラミッド構造になっているのが日本の自動車業界です。

自動車の品質は人の命に関わるもの。品質や信頼面で、少しでも不安があるようなものは搭載できません。自動車業界のメーカーのキャッチコピーにも品質や信頼を強調するようなものが多いのは、品質や信頼を大切にしている証拠です。

そのため、自動車開発製品の大きな特徴として、実績があり安心が保証されている技術が採用される傾向にあることです。

エンジニアが関わる自動車製品として電子部品一つをとっても、自動車に搭載できる品質だと保証されているようなものです。

部品一つひとつにも、開発の方法や検証テストに膨大な時間や費用を費やしています。

トヨタの事例

トヨタでは開発方式:TDSの活用によって、大きな改革機会を生み出しています。

トヨタでは、1つの商品に1人のチーフエンジニアを置いており、チーフエンジニアを中心に開発を進めています。顧客視点に基づいて、商品企画・開発や生産技術・調達・原価管理などを決定している製品開発プロセスを実施しているのです。

また、製品開発の生産性向上を目的として、アーキテクチャに基づいて構造的な見直しや再定義を行っています。

先端先行開発の管理のもとでアーキテクチャの設計開発を行ったり、品質とコスト改善をしたりするためのコンフィグレーション管理と開発プロセス管理などがあります。企画・定義・開発・再定義を繰り返して、多面的に検証を行っているのです。

派遣エンジニアの方がメーカーでの技術経験が積みやすい

このような幅広い業界である自動車業界ですが、メーカーでの技術経験を積みやすいのは派遣エンジニアです。

自動車業界への関わりを持つのは設計やテストといった、エンジニアリング業務だけを請け負うエンジニアリング会社やエンジニア派遣会社があります。エンジニアリング会社だと製造納入はしないので、得られる技術経験もそのぶん限定されてしまいます。

一方、エンジニア派遣会社の正社員であれば、採用基準はメーカーほど高くありません。さらに、手厚い教育や研修も受けられ、完成車メーカーやその直下の系列部品メーカーに派遣されることもあります。

通常であれば、こういった完成車メーカーや直下の系列部品メーカーに中途で転職するのはハードルが高いもの。ましてや未経験であれば、転職成功の確率はさらに下がってしまうでしょう。

エンジニア派遣会社なら技術や知識を得てから派遣先へ行くため、大手メーカーの正社員とほとんど変わらない業務を行うこともできます。

もちろん、給料も平均年収より高くもらえることも多く、自動車業界での技術経験を身につけるのであれば、派遣エンジニアになるのは非常に有効な手段です。

まとめ

日本には有名な自動車メーカーが多数あります。そのため、自動車エンジニアは必要不可欠な存在。自動車は身近なものだからこそ、より開発・設計に関わることにワクワク感があります。

しかし、大きな市場のためなかなかキャリアアップがしづらいことも。また、所属するメーカーがずっと存続するという保証もないという時代のため、同じ企業に留まるよりも多様な経験を積むようなキャリアプランにした方が良いのではないかという考えもあります。

一つの会社に縛られることなく、自動車エンジニアとして仕事を続けられる働き方として、派遣という方法があります。合理的なキャリアアップを可能にする派遣という働き方は、エンジニアにとっても条件の良い働きやすい環境で仕事を見つけることができる選択肢になりつつあるのです。

自動車エンジニアとして身につけたスキルを活かし、別の分野のものづくりでも活躍できるチャンスがあるため、働き方の選択肢の一つとして覚えておくのがおすすめです。