モノづくりへの需要が高まりつつある最近では、機械設計に携わるエンジニアを派遣企業から雇うことも珍しくありません。エンジニアの方は、仕事に携わる際に利用する派遣企業選びによく注意してください。
近年よく見聞きする「ブラック派遣企業」という言葉。派遣企業の環境が悪いばかりに、そこで働くエンジニアたちが苦しい思いをすることがあります。派遣でエンジニアの仕事を探すなら、ブラック派遣企業にありがちな傾向をよく見極めて自分の身を守りましょう。
派遣企業は、大手と言われる派遣企業から中小に分類される派遣企業までさまざま。ブラック派遣企業に注意しておくべきは後者のほうです。
中小の派遣企業のなかには、企業規模が影響をして利益を貪欲に追及するところも。そのため派遣スタッフのことよりも企業としての利益を優先されて、マージン率を高めに設定して利益に上乗せされる可能性があります。
中小規模の派遣企業はまだ開業してから日が浅く、派遣業務の知識や経験が不十分であることも。マニュアルやルールが徹底されておらず、派遣スタッフに対する対応がバラバラになることがあります。
営業担当が頻繁に入れ替わることもあれば、営業担当が派遣スタッフに対する態度が問題になることもあるので、注意が必要でしょう。
もちろん、中小企業の派遣企業だからと言って、すべてがブラック派遣企業というわけではありません。企業の体制や教育などを見て問題ないかどうかを確認しておきましょう。
ブラックと言われがちな派遣企業によくありがちな特徴が、営業スタッフの態度。
仕事の希望を出して派遣企業に問い合わせをしたときに、おざなりな態度や乱暴な口調、人材を大切にしない素振りなどを見せるときには注意が必要でしょう。
営業担当の態度は、派遣企業の教育やマニュアルの精度が反映されるポイントです。つまり営業担当の態度が悪いということは、派遣企業そのものが破たんしているということ。
登録している派遣スタッフのケアを怠ったり大切な連絡をしなかったりといった言動も見受けられることもあります。
俗に「釣り求人」と呼ばれるもの。ブラック派遣企業は派遣スタッフを一人でも多く得るために、魅力的な求人条件を常に目立つ場所に掲載していることがあります。
もしもあなたが魅力的に感じる給料・勤務時間などの求人募集を目にして派遣企業に登録しようとしているなら、ブラック派遣企業である可能性も考えたほうが良いかもしれません。
よくあるのが、給料を高く見せようとして「15~50万円」などとあまりに幅の大きい額を書いていること。いつ見ても同じ条件の求人募集が載っていることもあるため、釣り求人を見極められるとブラック派遣企業を見極めることもできるでしょう。
実際にブラック派遣企業に登録してしまうことで、どのような悲劇が起きてしまうのか?報告されているブラック派遣企業の経験談をまとめました。
ブラック派遣企業が募集していた求人条件が「釣り」だった場合、派遣スタッフとして登録した後に全く違う仕事を割り振られることがあります。
たとえば「デスクワーク」と書かれていたのに、実際は足腰に負担を与えるような肉体労働だった、など…。
ブラック派遣企業は自社の利益と実績を上げるために登録スタッフをなかば騙すような形で、不本意な労働を強いることがあります。
時給や勤務条件を提示されて仕事を始めてから、派遣先が一般的に見て劣悪な企業だと気づかされたというケースは多く挙げられています。
例えば契約が取れるまで残業を余儀なくされたり、給料をカットするなどと脅しをかけられたりすることも。肉体的につらいと感じるような労働環境で働かされることもあるようです。
ほかにも「労働条件が酷いことを派遣企業の営業担当に相談しても聞き入れてもらえない」という話もブラック派遣企業によくある話です。
派遣企業の一存で、働いたはずなのに派遣スタッフに給料が支払われないという悲劇も、残念ながら存在します。派遣企業が仕事を雑にこなしている場合や連絡が滞っている場合は、給料の支払いを忘れられる可能性があるでしょう。
単純に派遣企業が経営難で支払い能力を失ったり金融機関と問題を引き起こして派遣スタッフへの支払いを滞らせたりと、突発的なトラブルに巻き込まれることもあります。
エンジニアが良い環境で働くためには、派遣企業の選び方が大切。ブラックとは反対にあるホワイト派遣企業の選び方を押さえておきましょう。
一般に「大手」と言われる派遣企業であれば、派遣スタッフが苦しい思いをするリスクは低いでしょう。
大手は営業担当への教育が行き届いており、システムもしっかり構築されていてトラブルを未然に防ぐ対応を取っています。金融機関との提携や支払いシステムが構築されていることにより、給料の未払いが起こるリスクがあることも。
ほかにも大手企業は福利厚生がしっかりしていて、有給休暇の取得に力を入れているところも魅力でしょう。
ホワイトな派遣企業は掲載している求人数が豊富。なぜなら多くの企業から信頼を得ており、派遣企業として安定した地位を確立しているからでしょう。求人数が豊富ということは、それだけ派遣スタッフの選択肢も豊富だということです。
少なくとも不本意な求人を無理やり押し付けられる心配はありません。これから登録する派遣スタッフが、理想に最も近い仕事を選べます。
良い環境を持つ派遣企業は、営業担当の対応力が良く派遣スタッフに対して親切だという特徴があります。
派遣企業としてノルマや利益に対する余裕があり、営業担当への教育が徹底されているため。対応力の良い営業担当者がいる派遣企業に登録できれば、派遣スタッフとしても困りごとを相談しやすく働きやすい環境で働ける可能性が高まります。